エアリスはその日の放課後、いつものように友達と別れ、北の大通りを東に曲がった。
人通りの少ない路地だが、もう何年も通ってきた道だし、何よりも家への近道になる。
エアリスは毎日この大通りを東へ曲がって家へと帰るのが常だった。
だがしかし、その足並みはいつもより早い。
まるで何かに怯えているように後ろを振り向いたり、立ち止まっては左右確認したり・・・・・・。
周りに誰もいないのを確かめては、ほっと一息ついて歩き出していた。
ここ数日顔を見なかったので安心していたら、今日学校で出会いがしらにばったりと会ってしまった。
「彼」が何か言いたそうに口を開いたのを見て、エアリスは思わず走って逃げてしまった。
もう、あんな思いはいや――――――――――。
あの記憶は嘘だったのだと、本当には起こってはいなかったのだと、そう信じるように自分に命令して、自尊心を保つよう努
めてきた。
あの記憶を認めてしまったなら、自分がとてつもなく惨めな存在に感じられるに違いない。
そんなのはいやだった。
自分を認められなくなるのは嫌だった。
ここで自暴自棄なる必要も責任も、自分には一切無い。
自分が悪いのではないのだ――――――――――。
エアリスはまた一歩帰途への道を歩き出した。
早く家に帰りたくて堪らなかった。
家に帰ったからといって問題が根本的に解決されるわけではない。だがしかし、それでも明日までは、そう明日の昼間では安
全だ。
彼だって幾らなんでも家族のいる家に押しかけてくるようなことは無いだろう。
ぎゅっと目を瞑って足の運びを早める。
早く、早く家に帰らなければ。
一刻も早く。
ここのマンションを横切って。
ここの十字路を左に曲がって。
ここが行き止まりで。
そして、ここの公園を―――――――。
「・・・・・・・・きゃッ!」
何か強い力に右腕を引っ張られてエアリスは思わず悲鳴を上げた。
一瞬、転ぶかと思い目を瞑る。
だがしかしたどり着いた先は、厚い胸板の中だった。
エアリスはそれが誰だか気づかないうちに無意識にその支えとなる胸に寄りかかった。
腰に手が添えられたのが分かった。
すぐに、エアリスは顔をあげてその人の顔を見ようとする、が。
「!――――――――っや」
慌てて腕を突っ張りその男から逃げようとする。
が、腰をホールドされたままの姿勢でそれが適うはずも無く、エアリスはあっという間に体の自由を奪われた。
虚しい抵抗を見せるエアリス。
それを面白そうに見ていた男の手が、突如するりと手を制服の中に入れた。
滑り込んだ手は、細い腰のラインをなぞりながらスカートの中へと潜り込み、ボトムに辿りつく。
エアリスがビクッと身体を振るわせた次の瞬間、指が、裂けそうなほどに狭い、第二の性感帯を刺激する。
「・・・・・・っ」
中でぐにぐにと、まるで押し広げるように指を動かされ、エアリスはなれない感触に身震いした。
金髪の男がすっと指を抜くと、体から一気に力が抜けて、意識せずして男にもたれ掛ってしまう。
「はあ・・・はあ・・・・・・」
あらんだ呼吸を落ち着ける。
気持ちを奮い立たせて、キッと金糸の男を見上げれば意地悪そうに笑った嫌にハンサムな顔が脳裏に焼きつく。
―――この男なのだ。
エアリスがこんな昼間からこそこそと怯えている原因を作ったのは。
エアリスの通っているエリート校の、ワースト1の超問題児。名前はクラウド。
頭も容姿も運動神経も抜群で。成績はこの私立最難関校でも一位で。エアリスは成績二位で。
でも、この辺のチンピラどもは頭も上がらないくらい、ガラが悪いし腕っ節が強い。
やくざも一目置いているという、この辺の裏の大元締め。
エアリスとは同じクラスで、まったく学校には来ないため、接点など殆ど無かった。
エアリスの毎日は輝いていたのに、あの日から全てが変わった。
何故か急に呼び出された、エアリス。
恐かったけれども、行かなければ更に恐いことになると思ったから、行った。
それで。
「誰かに言ったら、これより酷い目にあわせるからな」
と言って、「これ」をしたのだ。
「いやああああああああっ!痛い!痛いよ!……やめてー!」
クラウドは泣き喚くエアリスに構う事無く、廃校舎のトイレで延々と犯し続けた。
あれから、数日は顔を見なかったのだが・・・・・・。
「・・・・・っ」
エアリスはベッドに放り投げられた。
もちろん、初めて来るクラウドの家。本当なら知りたくもない。
これから自分は何回ここで彼と交わる続けることになるのだろうか?
飽きるまで?飽きる程度のオモチャならすぐにでも放り出してほしい。
それがエアリスの本音だった。
クラウドがエアリスの身体にのしかかってきた。
エアリスがあからさまに嫌そうな顔をすると、クラウドは面白くなかったのか、少し怒ったようだった。
エアリスは内心彼の思い通りの反応をしなかったことに、僅かな満足感を覚えつつ、気丈に睨んで見せた。
しかし、すぐにそれを後悔した。
「あんた、自分で脱げ」
―――え?
エアリスは自分の耳を疑った。
彼は今、なんと?
じぶんでぬげ。
え・・・・・・
「さっさと脱げよ」
命令される。
身体は素直に応えた。手足を強張らせて、自分自身を守ろうとするように、体を縮こまらせる。
当然、答えは「いや」
唖然とした顔で、首を左右に振った。
が、しかしクラウドは許さない。
なおも、更に強い口調で詰め寄る。
「脱げ」
「……や…」
クラウドが発する異様なほどのプレッシャーに、エアリスは耐えようとして下唇をかんだ。
クラウドは明らかに苛立った様子で、舌打ちした。
だがしかし、急にその顔に笑顔が生まれた。
不思議に思ったエアリスが、きょとんとしている前で、クラウドはベッドを立つ。
エアリスはその間に、ベッドの上に座りなおした。
暫くして、クラウドは戻ってきた。
その手にはカメラが握られていた。
「校内に貼り出したらなんて思われるだろうな」
意地悪そうな口調でクラウドは言う。
そしてあっという間にエアリスとの間合いをつめ、ベッドに押し倒すと、大きく開かせた腿の付け根にカメラを当てた。
怯えた瞳のエアリスと目が合う。
クラウドが面白そうに笑うと、エアリスの耳に聞きなれたシャッター音が聞こえた。
「どうだ、上手く撮れているだろ」
デジタルカメラのディスプレイを見て、満足げに笑ったクラウドがエアリスにそれを見せる。
案の定、そこには大きく足を開いた自分の痴態が映し出されていた。
「・・・・や・・・だ」
余りにも屈辱的な映像に思わず涙腺が緩む。
同時に、クラウドが本気で校内にこの写真を貼り出すことができる男であることも、理解した。
エアリスはそれだけは嫌で、この状況を何とかしたくて、そして全てを早く終わらせたくて、震える手で自分のセーラー服の
胸元に手を掛けた。
タイをはずして、床に落とす。
そして、上着のジッパーを下ろして、がたがたと震えながら肩からするりと落とす。
その下には何も着ていないので、エアリスの形のよい胸を隠すのは薄ピンクの下着一枚のみだった。
クラウドは現れた上半身の美しさと華奢さに目を奪われながら、エアリスには聞こえないほど小さく溜息を付いた。
それは感嘆の溜息と言うよりは、どこか疲れたような影の有る溜息だった。
しかし、その理由をエアリスは知る由も無い。
―――校舎で犯されたときは、服は脱がされなかった。
便器の上に座らされた後、足を開脚させられて、その間にクラウドの体が割り込んできた。
下着一枚脱がされない、後腐れないレイプ。
情事が済んだ後、彼は誤ることもせずに自分の男根をしまうと、さっさと出て行ってしまった。脅しの言葉を残し
て・・・・・・。
だが、今回は違う。
現に今、自分は彼の目の前でスカートを下ろそうとしている。
誰かの前で全裸になるのは、初めてだった。
これから起こることは彼女には分からなかった。
・ ・・・・ぱさっと擦れるような音を残して、スカートが床に落ちた。
不安そうな瞳でクラウドを見やれば、彼は満足そうににやりと笑う。
クラウド自身、少女らしい下着のみ身につけた華奢な身体に、内心では興奮を覚えていた。
しかしそれを表に出すことは無く、続きを促した。
恐ろしさに震えるエアリスの瞳を瞼がぎゅっと覆い、また極ゆっくりとしたペースで作業を開始する。
クラウドはその一つ一つを舐(ねぶ)るように見やりながら、エアリスに近づいた。
エアリスが近づく彼に怯えたのか、びくりッと肩を震わせる。
がしかし、クラウドは一向に構う事無く、エアリスに向かって手を伸ばした。
「………ひゃッ…」
触れられた辺りからぞくりとした感触が走って、エアリスは思わず声を出す。その余りにもピュアな反応が、エアリスの男慣
れなさを代弁していた。
クラウドはやや嬉しそうに、つい先日まで男を知らなかった彼女の体を抱き寄せた。
それと同時にエアリスのフロントフックのそれを捥ぎ取るように外してしまう。
現れた二つの愛らしい粒。
恥ずかしさに顔を背けたエアリスのそれに、クラウドは堪らずしゃぶりつく。
舌先で転がすと、エアリスは彼の腕の中で喘いだ。
「や・・・・・あぅ・・・」
思わず出た自分の声に、顔が赤らむ。
反射的に自分の声を抑えようと、腕を噛み締めかけた。
しかし、それはすぐにクラウドに外されてしまう。
エアリスは声をださまいとして血が出そうになるほどに下唇を噛んだ。
「我慢しなくてもいいぜ?」
そう言ってクラウドが、もう片方の粒を摘む。
「きゃ……ッん」
そうすると、感じたエアリスの口から、意思に反して可愛らしい声が漏れた。
ぎゅっと両方の胸を鷲づかみにすると、硬くしこった甘粒が手の平にしっかりとした感触を残す。
そのままもみしだいて、柔らかな胸の感触を楽しむ。
そのつど、エアリスは真っ赤な顔をしながら喘いだ。
触られたら、ただそれだけで、体が震えてしまった。
…・・・ クラウドは無造作に自分の学ランを脱いで、床に放り投げた。
クラウドはシャツの上からでも分かるほどに引き締まった体つきをしていた。
まるでボクサーのような、いや、もっとしなやかな・・・・・・・。
エアリスはそれを見ながら、自分の意思に反して、胸がぎゅっとなるのを感じていた。
ややあって、寝そべっていたシーツに強く身体を押し付けられる。
スプリングがきしんで、エアリスの視界は一瞬にして遮られた。
クラウドがエアリスの身体をまたいで、その腕に閉じ込めるように覆いかぶさっていた。
見つめてくる、空のような澄んだ色の瞳からエアリスは捕らわれ虫のように動けないでいた。
クラウドが腕を折って顔を近づけてくる。
エアリスはいや、とかろうじて聞き取れるぐらいの声で言うと、クラウドの胸を力の入らない手の平で押し返そうとした。
その手首をクラウドが優しく掴んで脇にそらす。
そっと唇を近づけて、焦点のあっていないようなエアリスの唇に重ねた。
瞬間、びっくりしたエアリスの瞳が瞬時に輝きを取り戻し、手足が忙しく暴れたが、クラウドは構わず唇をあわせ続けた。
「・・・ん、・・・・・ふッ・・・ぅ」
息苦しさにエアリスの唇からクラウドの舌の侵入を拒んでいた力が抜ける。そこからすかさずクラウドは自分の舌を差し入れ
た。
口腔内で逃げ惑うエアリスの舌を捕まえて、強引に絡める。
広がる甘さにクラウドは、夢中になりかけたが、エアリスの息遣いを感じて唇を離した。
「・・・・・・ッはあ・・・」
エアリスの肩が勢いよく上下する。
つう、と唾液が糸を引いて切れた。
そして、わずかばかりの酸素を補給したエアリスの濡れた唇を、クラウドは再びついばんだ。
何度も何度も角度を変えて口付けると、大人しくなったエアリスが切なげな吐息を漏らした。
それにかっとのぼせ上がるような感情を覚えて、堪らずのぞけた喉元に吸い付いた。
舌で優しく撫でると、エアリスがビクリと身体を振るわせる。
もっと反応させたくて白い乳房にも口をつけた。
「あ・・・・・・だめ・・・」
思考回路が中断されたかのように、先ほどから恍惚とした表情をしているエアリスが、散る赤い痕と同じぐらい頬を紅潮させ
た。
クラウドの舌がどんどん下へ降りてくる。
エアリスは何も考えられないまま、クラウドのなすがままに任せていた。
ただぼんやりと体が甘く痺れてきているのを感じていた。
クラウドが両手でエアリスの最後の下着を下ろす。
現れた秘所はクラウドが幾度と無く見てきたものとは違い、なんとも言えずに綺麗なものだった。
既に濡れていている、そこを指で触れる。
ぴちゃり、と独特の水音がして、エアリスが指がぴくっと動いた。
もっと濡らそうとして、中指を穴にあてがって滑り込ませた。
「あ・・・・ん」
なれないものが入ってくる感触にエアリスは首を捻る。
だがしかし、その曇ったような表情も、すぐに切ない色を漂わせ始めた。
クラウドはそれを見て、妖しく笑うと、指を中で動かし始める。
指はすぐに咥え込まれた。
目立った反抗心を示さないエアリスに気をよくして、さらに薬指をも添える。
「ああ・・・・ひゃっあ」
エアリスが耐え切れなくなったのか、シーツをぎゅっと握り締めた。
その関節が白くなるほどに力の入った手に、クラウドは優しく手を添える。ほぐして指と指を絡ませると、エアリスの方から
強く手を握ってきた。
「エアリス・・・・・・・」
そう呼びかければ、切羽詰ったかのような表情の下から薄っすらとした反応があった。
ややあって、強く閉ざされた瞼が開く。
恐々と除かれた瞳と視線が交じり合って、まるでエアリスのことを何でも知っているかのような感じをクラウドは覚えた。
そっと挿入していた指を抜くと、後を追うかのように愛液がとぽりとあふれ出す。
エアリスの腿は自らの愛液に濡れていて、その付け根はクラウドを待ち望むかのようにひくついていた。
クラウドはそれを見て、彼のものとは思えないほど、少なくともエアリスには見せたことが無い笑みを浮かべた。
不思議そうに潤んだ瞳を覗かせるエアリスに再び触れるだけのキスをして、クラウドはベッドの隙間から手を差し入れて、エ
アリスの背中を抱いた。
そのまま抱き上げる。
背を向かせて抱き締めると、彼の行動に驚いたエアリスが怪訝そうな瞳で振り返った。
それと同時に後ろから回した手で下から抱えるようにエアリスの左腿を開かせる。
「・・・・・・・あゅっ」
声にならない拒否の言葉が再びかき消された。
クラウドの右指が、もはや処女ではないエアリスの孔に音を立てて沈み込んでいく。
涙でぼやける視界に、エアリスは確かに指が三本添えられているのを認めた。
かなり無理矢理だが、三本しっかりと咥えている。
嫌がった自分の動きで快感が押し寄せるのを防ぐために、エアリスはこれでもかと言わんばかりの、クラウドの指の挿入感に
耐えていた。
いつの間にか、全てが快感に変わっているのに気づかぬままに。
……面白いほどに反応するエアリスを見て、クラウドは自分の欲望が今にもズボンを突き破りそうに、膨らんできているのを
感じていた。
もう少しの時間だけ、乱れ喘ぐエアリスの姿を楽しむつもりでいたのだが、それももう持たないことに気づく。
そして、エアリスを抱きかかえる腕に力を込めると、更に片足を顔のほうまで持ち上げて、足を大開脚させた。
この後に何が待ち受けているのかを悟ったエアリスが「いや」と咽び泣いたが、彼が構うはずは無かった。
処女のエアリスを無理矢理犯したのは、他ならぬ彼なのだから。
―――右指がエアリスの陰唇をぐにっと開いた。
そこに自らの欲望の中心をあてがう。
「いや、いやいやっ!」
エアリスが必死になって、足をバタつかせ、手でクラウドを叩いたりしながら、最後の抵抗を試みる。
「なんだよ。ここはもう我慢できてないみたいだぜ?」
そう言うクラウドの視線の先に、エアリスは自分の秘所を見とめる。
こうしている間でさえ、クラウドが欲しいのか、痙攣してひくついている。その様子はまるで御預けを食らった子供のよう
だ。
実際、よだれのように愛液が滴り落ちている。
だがしかし、そんな逡巡も突如襲ってきた快感に打ち消される。
「ああ……っひゃあ!」
ずぷり、と音がして、自分の中にクラウドが入ってきたのが分かる。
しかし、挿入の恐怖感からか、はたまたクラウドの男根の大きさからか、エアリスの内壁はクラウドを最奥までは導かなかっ
た。
「…ちっ、きつい」
そう舌打ちして、クラウドは繋がったまま身体を反転させて、エアリスを組み敷く。
そうして体重をかけ、スプリングの軋みを利用しつつ、無理矢理こじ開けた。
一度傲慢な壁を突破してしまえば後は容易いものだった。暖かくて滑らかな内奥はエアリスの意思に反してクラウドを受け入
れる。
同時にそれはエアリスに強い快感を齎した。
「ああ・・・・・・・んっ、ひゃ・・・・う・・・!」
エアリスは声を押さえるのも忘れ、そそる様な愛らしい声で啼く。
困ったように自分の顎の辺りに手をやりながら、潤んだ瞳で熱っぽくクラウドを見上げた。
それはもう、誘っているようにしか見えなくて・・・・・・。
「あああんっ、やん・・・だめぇっ」
動くほどに締め上げてくる最高の感覚に浸りながら、クラウドは突き上げを開始する。
胸の先端を舐めたり、摘んだりすると、また別の反応が返ってくる。
それが妙に嬉しくて、クラウドはエアリスに笑いかけた。
「・・・・・・・・ど・・?」
殆ど聞き取れない声でエアリスはクラウドを呼んだ。
少し開いたままの唇を割って、クラウドの舌が滑り込んでくる。
逃げるのも適わず頭が痺れそうなほどに絡められた。もう何も考えられなくなる。
頭の中は真っ白だった。
唇の隙間から交じり合った唾液が漏れ出して、エアリスの首筋を流れるのを、クラウドは舌でなぞりつつ、最後に耳元まで唇
を運ぶ。
恍惚とした表情のエアリスの耳を軽く舌で刺激し、笑いかけた。
「あんたは、俺のものだからな」
エアリスが硝子玉のような瞳をクラウドに向けて、力なくこくりと頷く。
それに満足したようにクラウドは笑って、再び激しく突きだす。
「ひゃんっ、や・・・・あっ、ん・・・だめっぇ」
そして喘ぎが艶を増していき――――――――――
「ん・・・・ああああああああっ!」
果てる。
エアリスは、もう何も考えられなかった。
「ふう・・・・・・・・」
情事の後、クラウドは自分のモノをしまうと、一息ついた。
隣で意識を失っているエアリスは、いつにも増して、愛らしく見える。
自分のことを受け入られたわけではないと分かっていても、こうやって彼女の体を自分のものにできた。
だがしかし、心のほうは、一体どうなのだろうか?
二回も暴行を働いた自分をエアリスは許してくれるとは考えがたい。
それでも、自分はこれからも彼女を抱くだろう。
例え泣き叫ばれようが罵倒されようが―――――――――
でも、せめて彼女が起きる前に伝えておこうか・・・・・・・。
「あんたが好きだ」と。
思いをさえ、抑えられなかった自分を彼女は知ってくれるだろうか・・・・?
「くそ・・・・・・」
クラウドは悪態をつく。
「何で俺を見ない・・・・・・・あんたは・・・・!?」
ルックスには自信がある。
頭もいい。腕っ節も強い。
なのに・・・・・・・・・・
「違うよ」
そのとき声がした。
細かく揺れる少女の背中から。
否定の言葉が。
クラウドは俯いたままの顔をハッと上げる。
エアリスはいつの間にか自分のほうを振り向いていた。
「ひどいよ、クラウド・・・・・・・・酷すぎるよ」
「・・・・・・・・・」
答える事はできない。
「わがままだよ、自分のことしか考えてないもの・・・・」
声は震えて、涙は止まらない。
「誰にも、好きになってもらえないよ」
―――一夜の関係を求めてくる人は幾らでもいるけれど
誰もクラウドを求めてはくれない。
・ ・・・・・・クラウドは静かに部屋を出て行った。
相変わらず、謝罪の言葉一つ無く・・・・・・。
でも、去っていく背中は寂しそうだった――――――――
「馬鹿ねクラウド。本当におばかさん」
家のドアが音を立てて、彼が出て行ったことを告げる。
エアリスは黙って、もう一度ベッドに潜り込んだ。
クラウドが帰ってくるまで待っているつもりだったのだ。
まだうら若い、早夜の話。
FIN
ぎゃあ、すいませんピノさん。お待たせした上に、へぼいでき・・。
解説しますと、クラウドはエアリスのことを好きだったのです。
でも、彼はどうしようもなく我侭で、自分勝手。言い寄ってくる女は幾らでもいるのに、エアリスは自分に見向きもしない。
「こんちくしょう!こうなったら無理矢理やってやる!」
と単純な動機で襲い、いろんな確執もやもやと渦まいて・・・・・
というような話しです・・・・。すいません。
途中でクラウドが自嘲気味な溜息を付くのは、エアリスへの気持ちが全く本人に伝わっていないことへの失望なのです。
それを、最後にまとめてしまって(全然まとめられていませんが)最後が慌しくなってしまいました。
しかも、何処が制服じゃ・・・・?
制服着ていると思って、読んでくだされば幸いです!
それでは、・・・・・←逃げる