ONE TIME

ONE TIME






「あ〜〜〜〜〜〜〜、終わんねえよぉ!

 何なんだよこの書類とディスクの山は!?」

 

 

クラウドの机の上に置かれた、積み木のように積み上げられている顧客の届書とコンパクト・ディスク。

毎年やってくるデータ更新の時期でもはや恒例となってしまっているのだが、

機械化が進んでもリストラで人が減らされるばかりで、仕事量は年を重ねてもちっとも減りはしない。

 

時計を見れば、午後10時。

今日もセブンイレブン(午前7時出勤、午後11時帰宅)コースだな・・・とクラウドはため息をつきながら

ひたすらコンピュータの画面とにらめっこを続けていく。

 

 

「そろそろブレイクしたらぁ?何時間そこに座りっぱなしなの?」

 

 

その声で振り返ると、椅子に座って団扇をあおぎながら缶コーヒーを飲んでいるティファがいた。

彼女はすでに今日の業務をあきらめているらしく、休憩モードだ。

 

 
「これだけは入れておかないとさぁ・・・明日また大量の届出書とディスa
 こうして休憩している暇があったら・・・・・・って?」

 

 

クラウドはティファの格好を見た瞬間、唖然として次の言葉が出てこなかった。

白のタンクトップに超マイクロミニスカート。

いつの間に着替えてきたんだ・・・そしてその格好はいったい何なんだ?

とクラウドの頭に次々と疑問が浮かぶ。

どうでもいいのだが、クラウドの見る位置からだと確実に見えてしまう。

 

 

「・・・・・・お前、めちゃめちゃ涼しそうな格好してるな。」

「こーでもしなきゃやってられないわよ!!残業時間はエアコンオフでしょぉ?

 クラウドみたいに律儀にカッターシャツにネクタイなんて格好してるほうがおかしいの!」

「私服に着替えたら、やる気がなくなっちまうよ。

 さ、あと1時間・・・何とか気合入れて片付けるさ。」

「そこまでしなくてもいいわよ。明日から派遣社員入れるから。」

「は、派遣社員!?」

 

 

クラウドは一瞬、耳を疑った。

最近自分の会社はコストダウンに必死で、このように残業時間は光熱費がもったいないからと

エアコンは強制的にオフになってしまう。

人員のリストラも進み、機械化が進んだ分正社員も減った。

忙しいからといって、新たにバイトを雇ってくれと言っても渋い答えしかかえってこないのが落ちだが、

今回は派遣社員が入ってくる。やはり、コストダウンも限界が来たのだろうか??

 

いずれにせよ、劣悪になっていた労働環境に改善の兆しが見えたのは喜ばしいことだ。

どれだけ自分達が忙しい思いをしているか、総務の輩にやっと伝わったというところか?

 

 

「珍しいこともあるもんだな。」

「ま、さすがに私たちだけじゃ終わらないってことで助っ人を呼んだってことかしら。」

「でもさ、どんなのが来るんだぁ?言っておくが、足手まといはいらないぜ。」

「さあねぇ〜・・・そこまではわからないわよ。でも、人が増えるからこの時期は助かるわね。」

「まったくだよ。じゃ、そういうことならここで今日の仕事はやめにしよう。

 あ〜っ・・・!久しぶりに今日中に帰れそうだ!!」

「今日だけでなく、明日からもそういう生活になるわよ、きっと。」

 

 

11時に終わって会社を出れば、楽に終電で帰宅が明日になってしまう。

風呂に入って眠ればもう朝が来る・・・という生活もこれでピリオドか?

 

とにかく、どんな人でもいいから仕事ができる人がきてほしい。

そう思ってクラウドはいつもより早く、いつもより長い睡眠をとった。

久々に5時間以上眠ったクラウドは、翌日の朝の目覚めはとてもよかったようだ。

 

 

7時に会社に入り、自分の担当課のパソコンをすべて立ち上げる。

積み木のように積みあがった書類のうちの1束を持ち上げ、

パソコンデスクの上にのせて早朝から入力だ。

 

 

「暑いなぁ・・・さすがにエアコンなしでパソコンの前に座ると熱気で頭やられそうだぜ。

 ちょっとフライングだけど、エアコンつけてもいいだろ・・・。」

 

 

クラウドはエアコンをコントロールしている総務課の部屋へと向かった。

元の電源が切られては、自分の課にあるスイッチをいくらいじってもエアコンはオンにならない。

勤務時間スタートである9時の30分前になるまではオンにはならないのだが、

こうも暑いと早朝からの入力作業はできなくなる。

 

 

ドアを開けて、コントロールスイッチへと手を伸ばすクラウド。

すると、そのクラウドのそばを総務課長のシドが通りかかった。

 

 

「げっ!!」

「こら、クラウド!げっ、じゃないだろ!」

「あ・・・すいません。おはようございます。」

「おはよう。・・・で、何をしてるんだ?」

「シド課長、エアコンはまだつけてはダメですか?」

「・・・ったく、仕事熱心な奴だな、お前は。

 つけていいが、黙ってやるんじゃなく俺の許可を得てからにしろ。」

「はいっ・・・。」

「そうだ、今日から一人派遣社員を入れる。

 彼女はパソコンは普通にできるから、入力の仕方をちゃんと教えてやれよ。」

「・・・か、彼女?」

「若いかどうかは知らんぞ。」

「・・・・・・それ、結構肝心なポイントかもしれないって。」

 

 

まぁ、何がともあれパソコンが普通にできるなら問題はなし。

この地獄なセブンイレブン生活も少しはましになるってわけか・・・。

クラウドはエアコンをオンにして、自分の担当課の部屋へと戻った。

 

 

部屋に戻ると、ティファがいた。彼女もまた、出勤するのが早い。

 

 

「おっはよ〜〜〜。」

「おはよー。毎日早いな、ティファ。」

「それはお互い様でしょ。しかも今日は珍しく朝からエアコン効いてるのね。」

「総務に言ってきたんだよ。俺に感謝しろよ。」

「ありがとっ。さ、今日も乗り切らなくちゃね。

 ここだけじゃなく、会議室にも書類がたまってるし・・・。」

「まったくだよ。会議室が倉庫のようになってるよな。

 あの量の書類を片付けるのかと思うと、めまいがするぜ。」

 

 

そう、自分の机の上に載っている書類やディスクの山なんて、氷山の一角。

これを片付けたところで、何も片付いてはいないのだ。

そして日が変われば、また新たに仕事が入ってくる。

・・・この地獄のような日々も、今日で終わりになればいいのだが。

 

 

時計が9時を指し、就業開始のベルが鳴る。

自分達にとっては、単なる時報でしかない。

7時過ぎから仕事をやっているからだ・・・。

 

 

「お〜い、クラウド!」

「・・・なんすか?バレット係長。」

 

 

バレットはこの課の係長で、係員であるクラウドとティファの面倒を見ている。

 

 

「会議室へ行って、この会社から出ている届出書を取ってきてくれ。」

「・・・これ、エラーがあったやつですよね。」

「やっと訂正されたディスクが届いたんだよ。頼むぜ。」

 

 

部屋を出て、クラウドは一つ階をあがって会議室へと入る。

会議室って、こんなに狭かったっけ??って思うほど、足の踏み場もなく書類が散乱している。

 

 

「・・・をいをい、ディスクが散らばってるぜ。踏んで割れたらどーすんだってんの。

 さて・・・不備書類の置き場は・・・と、あ、あったあった。」

 

 

ダンボールの山がなだれてこないように、クラウドはひらりと山をかわしながら

バレットの求めていた届出書を手に取り、会議室を出た。

 

 

部屋に戻ると、総務課長のシドが一人の派遣社員を連れてくるのが見えた。

その派遣社員は、ピンクのワンピースを着ていた。女の子だった。

 

 

「それでは、皆さん集まってください。」

 

 

その声で、課の社員全員が立ち上がってシドとその女の子の方を見た。

 

 

「今日より1ヶ月間、皆さんの仕事を手伝ってくれる、エアリス・ゲインズブールさんです。」

「エアリス・ゲインズブールです。よろしくお願いします。」

 

 

なんだ、若いじゃん。

しかも細い身体で、色も白く顔もかわいい女の子。

総務課長もよくこんな子を雇ったものだとクラウドは妙に感心してしまった。

 

 

「クラウド!」

「・・・あ、はい!課長・・・なんですか?」

 

 

クラウドを呼んだのは、課長は課長でも自分の担当課長・・・キスティス。

キスティスはクラウドに、エアリスの世話役を命じた。

 

 

「エアリスに、仕事を教えてやってね。」

「俺っすか?」

「クラウド、変なこと教えるなよ。」

「か、係長っ!!」

 

 

仕事が少しでも早く片付くよう、派遣社員を雇うのはいいのだが・・・。

使えるようになるまで教えてあげないといけない。

その教師役が、自分とは・・・。

このセブンイレブン生活は、まだ当分続きそうだ・・・と自分の描いていた

甘い夢をため息とともにすべて吹き飛ばした。

 

 

「クラウドさん・・・ですねっ。よろしくお願いします。」

「ああ・・・こちらこそよろしく。」

「あの、何をすればいいのですか?」

「うーん・・・基本的にパソコンへの入力作業が主さ。

 今から処理の流れを教えるから、ちゃんと覚えてくれよっ。」

 

 

クラウドは自分の仕事がたまっているのだが、思い切ってこの1日を捨てて、

エアリスに仕事を教えることに専念した。

覚えてくれれば、1日犠牲にしたってその後は十分挽回できる。

1人前に仕事ができる人が1人増えれば、作業スピードも格段に上がるからだ。

 

 

「・・・というわけで、エラーがでなけりゃ簡単に作業終了さ。」

「エラー・・・でたらどうするの?」

「そのときはまた俺を呼んでくれよ。俺も自分の仕事を少し片付けないとな・・・。」

「・・・って、もうエラーでてるんだもん。」

「は?・・・・・・くっそぉ、このディスク適当すぎるぜ!後でこの会社に文句の電話入れなきゃな。

 とまぁ、こんな感じでどたばたさ・・・うちの課は。」

「総務は暇そうだったけど?」

「それ、あんまり大声で言うなよ。あいつらエリート組だから、人事とかすべて仕切ってるんだ。

 仕事なんかろくにやらない集団だよ。」

「ふーん・・・。」

「で、今日は何時まで残れる?」

「え?早速残業命令?」

「ああ。この1ヶ月、定時で帰れるなんて思うと甘いぜっ。」

「終電までには、帰らせてねっ・・・。」

「それは保障するよ。俺だって終電までには帰りたいさ。」

 

 

とにかく、エアリスを1人前の社員同様レベルにまで短時間で育てて、

仕事をばりばりしてもらいたい・・・これがクラウドの願いだ。

終電に間に合う時刻ぎりぎりまで・・・11時まで、エアリスに付きっ切りで仕事を教えた。

 

 

「・・・よくやるわねぇ〜、クラウド。」

 

 

後ろを見れば、昨日同様団扇をぱたぱたとあおいでいるティファがいた。

 

 

「まーたそういう格好で・・・ここはお前の部屋じゃないんだぞ?」

「私の部屋はエアコンくらいきいてるわよっ。

 ・・・ほら、そろそろ切り上げない?あと15分で終電出ちゃうわよ?」

「は?・・・そいつはやばいっ。あと10分で戸締りしろということだっ!!」

 

 

今日は11時出社・・・帰宅は翌日。

労働時間は実に15時間で、超過勤務は7時間。

でも、そのうち実際に帳簿につけられる超過勤務時間はたったの2時間。

いわゆるサービス残業ってやつで、ただ働きを強いられている。

しかし、エアリスは派遣会社との契約できてもらっているので、派遣会社との体裁もあり、

彼女にだけは定時の午後6時から超過した5時間分、きちんと手当が出るのだという。

 

 

この3時間の賃金の差は、かなりでかい。

同じ女であるティファは、この矛盾にだんだん腹立たしさを覚えるようになってきた。

ティファが1日にもらえる超過勤務手当は、1時間あたり1500円なので2時間で3000円。

それに対しエアリスは1時間あたり1200円なのだが、5時間分もらえるので6000円。

これが1ヶ月の勤務日数である22日間続くとすると、ティファは66000円なのに対しエアリスはなんと132000円。

エアリスよりはるかに自分のほうができるのに、1ヶ月の給料がエアリスのほうが高くなってしまう。

 

 

単なる派遣社員なのに、どういうことだ・・・。

日を重ねるごとに、ティファのエアリスに対する微妙なイライラが積み重なっていく。

 

 

「私ら社員のほうが仕事ができるのに、給料は彼女のほうが高いってどういうことかしらねぇ。」

 

 

そのエアリスは・・・というと、周りのハイペースに流されずマイペースだった。

画面をにらみ続けることはなく、適当に休憩を取りながら入力作業をする。

それが労働者としてベストな姿だ・・・。

だが、年々労働環境が悪化していく職場の中で、戦争状態ともいえる今の状況で

そんな行動を取られると、憤りを感じるのも無理はない。

 

 

「クラウドさん、缶コーヒー持ってきました♪」

「お・・・さんきゅ。気が利くなぁ、エアリスは。」

「クラウドさんも少しは休憩したらどう?ずっと画面見っぱなしよ?」

「気持ちはうれしいけど、この1ヶ月が勝負なんだ。」

「こらぁ!そこ、話してないで仕事しなさ〜〜いっ!!」

「うおっ、キスティス課長のきっつーい一言だぜ。

 エアリスももう少しだけ、がんばろうぜ。」

 

 

そしてある日、エアリスはバレット係長に、会議室から書類の束を取ってきて欲しいといわれた。

ダンボール1箱分の雑用を、彼女に頼んだのだ。

 

 

「クラウドさん、ちょっと会議室へ行ってきますね。」

「ああ・・・・・でもあそこは足の踏み場もない場所だからな。

 書類の山にぶつけて散らかさないよう、十分気をつけるんだぜ。」

「あ、はーい!」

 

 

階段を上がって、会議室に入ったエアリス。

目の前には、ダンボールの山。

クラウドの言うとおり、本当に足の踏み場もないところだ。

 

 

「うわぁっ・・・・・・すごくたくさんあるわね。あの残業の量もうなずけるかも。

 でも、何でこういうデータ入力とか、もっと外部委託しないのかしら。

 そうすれば、もっと楽になるはずなのにね。」

 

 

エアリスは欲しいダンボールの箱を探す。

やがて奥の窓際の一角にあることに気がつき、狭い隙間をすり抜けるようにして歩き出した。

 

そのとき、エアリスは右足をダンボールの角に引っ掛けてしまった。

躓いたエアリスはそのまま崩れるようにダンボールの壁に寄りかかった。

その衝撃で、10箱近く上に積まれたダンボールの山が一気に崩れてきた。

 

 

「きゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!」

 

 

エアリスの悲鳴とともに、書類の入ったダンボールの山がなだれ落ちてきた。

あたりに書類が散乱し、ディスクもばらばらにあちこちへ飛んでいってしまった。

その轟音は、会議室の下の部屋・・・クラウドたちのいる部屋にまで響いてきた。

 

 

「な、なんだぁ?」

「上の階から聞こえたよな・・・。まさかとは思うが、ティファ・・・ちょっと行ってきてくれないか?」

「私?はぁ・・・面倒ねぇ。」

 

 

会議室のドアを開けたティファ。

そこはもう、惨劇の館と化していた。

崩れたダンボールの山、散らばった書類、ディスク・・・。

目の前の光景を見て、ついにたまりにたまったエアリスへの怒りをぶちまけた。

 

 

「な、なにやってんのぉ、あんたは!!??」

「あっ・・・す、すみません!!」

「気をつけて入るんだよって、クラウドも言ってたでしょぉ!?聞こえなかったの!?

 あーあ、こんなにばらばらにしちゃってぇ!!何が何の添付書類かとか、わかんなくなったじゃない!

 余計な時間をとらせんじゃねえよっ、この、給料ドロボーが!!」

「きゅ、給料ドロボーって・・・・・・。」

「そーよ、給料ドロボーよ!!こんなことして、私より高い給料もらってくんじゃないわよぉ!!」

 

 

ティファの給料ドロボーという言葉が、エアリスの胸にぐさりと深く突き刺さった。

自分は、この職場には必要ない人材だというのか・・・。

その後もティファは毒舌過ぎる言葉をエアリスにぶちまけ、エアリスは返す言葉もなくなってしまった。

 

 

「お〜い、何やってんだ?」

 

 

しばらくティファの集中砲火を浴びていたところで、クラウドが二人の帰りが遅いのを

心配してあがってきたのだ。

 

 

「あ〜・・・やっぱりあのでかい音はダンボールが崩れた音だったのか。」

「す、すみませんでした!!」

「クラウド、がつーんと言ってやってよ。こいつ、あなたの忠告を無視してるんだから。」

「・・・まぁまぁ、人間誰しもこういうミスは起こすさ・・・。

 ここは俺が片付けておくから、ティファは戻って入力の続きをやっててくれよ。」

「悪いわね、クラウド。ほら、エアリス!!きちんとクラウドにお礼言っておくのよ!」

「あ、はい!ありがとうございます、クラウドさん!!」

 

 

ティファは叩きつけるように会議室のドアを閉め、部屋に戻っていった。

ティファが出て行った後も、エアリスは固まったようにその場で座り込んでいた。

 

 

「さ、ぼーっとしててもしょうがないし、さっさと片付けるぞ。」

「クラウドさんっ・・・!!わたし・・・。」

「わかってるよ。ティファもここのところの残業続きでイライラしてただけさ。

 あまり気にすることはない・・・それより、早く片付けて係長の欲しがってたものを探すぞ。」

 

 

会議室の書類整理作業に時間をとられたクラウドたち。

整理作業を終えたときはすでに定時をまわっていて、今日の入力すべき分は残業で・・・という羽目に。

今日こそ早く帰れる・・・と思ったのに、またまた終電生活になってしまいそうだ。

 

ティファは9時まで残って仕事をしていたが、やる気が続かず

諦めにも似た感じで仕事を切り上げて帰っていった。

課長や係長も残業をそこそこにして帰宅。あの二人は残業すると

超過勤務手当が係員よりかなり高く、人件費が膨らんでしまうからだ。

 

 

部屋に残って入力作業をしているのは、クラウドとエアリスだけになった。

何も言わずに機械的に入力をしていくクラウドの隣で、エアリスは大きなため息を吐いた。

 

 

「私、やっぱり必要ない人間だったのかなぁ〜・・・・・・。」

 

 

画面を見ながら、エアリスは涙交じりの声でそうつぶやいた。

そんなエアリスに、クラウドはひたすら入力作業をしながらも答えた。

 

 

「必要ない人間なんて、この会社には誰一人いやしないさ・・・。

 でも、派遣社員はすごく叩かれやすい存在なんだ。

 ちょっと仕事ができりゃひがまれていじめられるし、できなければ

 こんな奴必要ない!ってまたまたいじめられるし。

 俺達以上にいつでも首を切られやすいから、立場が弱いよな・・・。」

「・・・ごめんね、あんまりできない派遣社員だったみたいで。」

「いや・・・そりゃ、仕事はできるほうがいいけどさ・・・。

 でもさ、不思議と君を見てると、俺の心が落ち着くんだよね。」

 

 

クラウドは本当は、足手まといにならない仕事のできる人間が欲しかった。

それはクラウドだけでなく、課の人間全員がそう思っていただろう。

 

しかし、クラウドは最近、エアリスのような存在も組織の中では必要であると思うようになってきた。

全員が全員仕事がバリバリできる人間だったら、緊張感に包まれたままで面白みもないし

そのうちう鬱病か何かになってしまいそうだ。

 

エアリスは仕事に関しては、そんなにできないかもしれない。

ミスもするけど、かえってそれが安心感を与えてくれる。

誰よりも人間味があるし、気の利くところもある。

そう・・・自分達はひたすら入力するだけの機械人間じゃないんだ。

エアリスのような人間こそ、本来働く人としてあるべき姿なんだ。

 

 

労働環境の悪化と業務量の増加が、いつの間にか自分達の心をだめにしていった・・・。

このことに気づかせてくれたのは、エアリスなんだ。

クラウドはエアリスに感謝するとともに、いつしかエアリスに大きな好意を抱くようになった。

 

 

この事件が過ぎてから、エアリスに対するまわりのバッシングが大きくなったような感じだが、

クラウドはエアリスをかばってエアリスがこれ以上傷つかないように気を配った。

1ヶ月という期間・・・途中で彼女が傷ついてやめてしまっては自分が困る。

セブンイレブン生活が続いてもいい・・・いや、エアリスがいるからセブンイレブン生活も気にならなくなった。

超過勤務が2時間しかつかなくても、エアリスといられる時間は何物にも変えられないんだ。

 

 

そして、エアリスがきてからあっという間に1ヶ月が過ぎていった。

エアリスと一緒に働くことができるのも、今日で最後。

午後9時を回って、会社にいる人間はクラウドとエアリスだけになった。

 

 

残り2時間・・・クラウドは最後の書類の山を取りに、エアリスを会議室へと誘った。

 

 

「明日で、さようならなのか?」

「うん・・・私の契約は、今日までだからね。明日はお別れの挨拶をしなきゃ。」

「そうか・・・あっという間だったな、この1ヶ月も。」

 

 

倉庫代わりに使っていた会議室も、今日で最後。

書類の山を完全に片付けた後の会議室は、とても広いものだった。

 

 

「・・・やっと終わったな。」

「そうね。これで私も無事に任期終了・・・ってとこね。」

「次の派遣先は決まってるのか?」

「・・・ううん、これで最後。ここでの契約が切れたら、派遣会社との契約もおしまい。

 あの派遣会社、女の子は1年以上継続して雇ってくれなくて・・・。

 私、また就職活動しなきゃ。」

「大変なんだな・・・どこの世界も。」

「本当は私、このままここの正社員に雇ってほしいくらいだったんだけど・・・。

 でも、こんな仕事振りじゃだめよねっ。」

「いや、エアリス・・・君は本当、1ヶ月よくがんばったよ。

 毎日こんな時間まで残らせてしまってさ・・・。」

「いいのよっ。季節的業務で忙しくて・・・しょうがなかったんでしょ?」

「助かったよ、エアリス。」

 

 

これで、エアリスと仕事ができるのも、最後になってしまう。

でも、とうとう最後まで、エアリスに思いを伝えられるままだった。

エアリスに対する大きな思い・・・この1ヶ月で思いが愛へと変わっていくのを感じていた。

 

 

エアリスといられるのも、もうあとわずか。

これが、これがエアリスと二人だけでいられる最後の時間。

これを逃したら、もう後はないかもしれない。

 

 

One time.

せめて、このときだけでも・・・この刹那なときだけでも。

 

 

「エアリス・・・最後に、いいかな。」

「なあに?」

「伝えたくて、でもどうしても言い出せなくて。

 忙しかったのもあるし、自分が臆病だったのもあるし。

 けど、もう今言わなきゃ、一生言えないって思ってさ。」

「いいよっ。どんなことでもいいから、言ってみて。」

 

 

クラウドはしばらく、エアリスの顔を見つめ続けた。

エアリスの顔をしっかりと見ながら、この一言を伝えるんだ・・・。

 

 

 

「好きだよ、エアリス。」

 

 

 

結果は、どうだっていい。

最後のこのときに、この言葉・・・この一言を伝えたかったのだ。

これを言わなきゃ、ずっと後悔するから・・・。

 

 

エアリスの返事を待つクラウド。

そのエアリスは、やはり突然のことだったのか、少し驚いているようで目を丸くしていた。

彼女が言葉の意味を飲み込むまでの刹那な時間・・・クラウドにとって、少し長く感じた。

 

 

 

そして、エアリスの顔が今までで一番の笑顔に変わった。

エアリスがクラウドに抱いていた気持ちは、クラウドのそれと同じになっていたのだ。

 

 

 

「私も・・・・・・あなたのこと、好きだよっ。」

 

 

 

にっこり微笑んで、クラウドの顔を見つめるエアリス・・・。

何かが外れるのを感じたクラウドはそっと、エアリスの背中に自分の手をのばした。

そして、そのままぎゅっと、エアリスの身体を抱き寄せた。

 

 

顔と顔を近づけ、エアリスの口唇へ、舌をからめるように激しいキスを交わす。

衝動的だったが、もうとめることはできない。

貪欲なまでに、エアリスの身体を・・・エアリスの愛情を欲しがっているのだ。

 

 

クラウドはエアリスの身体を両腕で抱き上げると、

そのまま会議テーブルの上へと押し付けた。

あまりに突然で、あまりの勢いにエアリスの頭の中は一気に真っ白になった。

 

 

「・・・ねぇっ・・・こんなところで、誰か見てたらどうするの・・・?」

「こんな時間まで残ってる奴なんて、俺とお前しかいないさ・・・。」

 

 

エアリスの着ているブラウスのボタンを、クラウドは一つ一つはずしていく。

エアリスはただ恥ずかしそうに、無抵抗なまま、クラウドのすることをじっと見ていた。

 

 

ブラウスを脱がせたクラウド。

その瞬間、クラウドの抱いていたエアリスの華奢なイメージが一瞬にして崩れていった。

生唾をごくりと飲み込んだクラウドのその視線の先には、

巨乳とは言えなくとも、豊満な胸がそこにあった。

 

 

反射的に、クラウドの手がエアリスの胸に伸びた。

ブラの上から、エアリスの胸を鷲掴みにする。

 

 

「あっ・・・!!」

 

 

服の上からじゃわからなかった、彼女の魅力。

その魅力に誘われるかのように、クラウドは今度はゆっくりとエアリスのブラをはずしていく。

白く、美しい・・・綺麗な胸がクラウドの前に曝け出された。

 

 

クラウドも急いで、カッターシャツとズボンを放り投げるようにして脱ぎ捨てた。

吸い込まれるように、クラウドの顔がエアリスの身体に近づく。

舐めるように、貪るように・・・舌でエアリスの身体を愛撫し、

そして豊満な乳房からエアリスの愛情を吸い取っていく。

 

 

「きれいだねっ・・・エアリス。」

 

 

クラウドの手がエアリスのスカートに伸びていき、するりとそのスカートを脱がす。

エアリスの脚は透き通るようで、触るとシルクよりもすべるほど滑らかで、綺麗だった。

クラウドは足から膝へ、そして太腿へと愛撫を続ける。

それは、すべてを食べ尽くす猛獣のように貪欲なものだった。

 

 

やがてクラウドの指がエアリスの最後のヴェールにかかる。

エアリスも負けじと、クラウドのボクサーパンツを指でつかみ、ぐいっと引っ張りおろした。

 

 

クラウドのものは、身体全体のイメージどおり太く、鋭角を保って硬く立っていた。

デスクワークが主な仕事とは思えない肉体美のなかにそびえる男根。

エアリスは思わず、クラウドのものをぎゅっとつかんでしまった。

それに反応して、クラウドのものがさらに角度を立てていく・・・。

 

 

「・・・・・・かちかち・・・ね。」

「・・・そのうち、こいつで楽しませてやるさ・・・。」

 

 

ふっくらと丸みの帯びた下腹部へと誘われるクラウド・・・。

茂みの奥へと進み、その中にある最高のオアシスを見つけるために。

 

クラウドは指を使って秘密の扉をこじ開けて、ゆっくりと痛がらないように

膣内を愛撫し、乾いているオアシスをエアリスの愛液で潤す。

刺激に耐え切れなくなってきたエアリスから、喘ぎ声が漏れ始めてきた。

 

 

「ああっ・・・・・・・!あっ・・・やめ・・・・・てっ!!」

「・・・やめないさっ。こうすると感じるんだろっ、エアリス!!」

「きゃあっ!!ああ・・・・・・・。」

 

 

指で膣内を愛液で潤した後、クラウドは硬く太く突き立った男根を挿入した。

そして指で愛撫しているときにわかった、エアリスのもっとも感じやすい場所へめがけて

何度も何度も衝きたてる。

 

 

衝撃を与えるたびに、エアリスから喘ぎ声が漏れてくる。

真っ暗な会議室が、クラウドとエアリスの声で支配される。

 

 

「いやぁっ・・・・!!!ああっ・・・・・・。」

「んっ・・・・・・くっ!!」

 

 

エアリスの愛液が潤滑液となり、膣内の襞がクラウドのものとこすれあう度に

クラウドに大きな刺激と快楽を与える。

腰を振るスピードを早めたり緩めたりして、絶頂に達するのを遅らせながら

エアリスの子宮の中で弄んでいたが、そろそろ限界に達してきた。

このまま何もしなくても、いってしまいそうだ。

 

 

・・・それは、エアリスも同じだった。

これ以上攻められたら、自分の意識はどこかへ飛んでいってしまう。

 

 

「やめ・・・・・・・てっ!

 ・・・ああっ・・・・・・・いっ・・・ちゃ・・・。」

「いくぞぉっ!!!!」

「・・・・・・・!!!!!!」

 

 

楽園への階段を駆け上がるように、クラウドは腰を振るスピードを速めて

ひたすら最高の瞬間を求めて子宮の壁を何度も衝き上げた。

何も考えず、ただひたすらエアリスを攻めて、攻めて、攻めつくした。

 

 

やがて、クラウドの愛液が優しい爆発とともにあふれ、

クラウドは最高の快楽の時にしばし浸り続けた・・・。

 

 

クラウドがエアリスの中で果てたときは、もうエアリスには自分を制する力が残っていなかった。

すべて食べつくされて、壊されつくしたエアリスには、意識のかけらもなかった。

 

 

この刹那な時に・・・このときに、One Time.

エアリスと出会えたこと・・・そして、互いの愛を証明できたこと。

刻み込むことができて、よかった。

 

 

情事を終え、エアリスの意識が戻ったのはもう、残業の限界時刻である11時だった。

いつの間にか服を着せられていたエアリスは、なぜか会議室ではなくクラウドの課の部屋にいた。

 

 

「・・・終わったよ、エアリス。」

 

 

その声をきいてあたりを見回すと、クラウドが仕事を終えてパソコンの電源を切っていた。

でも、エアリスの頭の中はまだ完全に戻ってきていなかった。

 

 

「エッチ・・・するのが?」

「バカ、違うよ。たまっていた入力作業も、これで終わりってことさ。」

「・・・全部?」

「ああ、全部。これで明日から・・・平和になるってものさ!」

「やったねっ。1ヶ月間・・・本当にお疲れ様。」

「お前もな、エアリス。ありがとう。

 明日お別れの挨拶するんだろ?今のうちに考えておけよ。」

「そうね。・・・・・・あっ!大変!終電まであと15分よ!!」

「げぇっ!急いで戸締りしないとな・・・。エアリス!また明日・・・会おうぜ!!」

「うん、また明日ね!!」

 

 

最後の日も11時退社で帰宅すると日付が変わってしまったのだが、

もう早起きなんて、する必要はなくなった。

7時まで眠れる・・・6時間近く眠れる。目覚まし時計を、いつもより遅くセットした。

 

 

翌日、クラウドは8時半に会社に出勤をした。

もう、7時から入力作業をする生活は終わったのだ。

今日からようやく、平和な日々がやってくる・・・。

 

 

「おはよーっす!!」

「おはよう、クラウド。もうセブンイレブン生活しなくてもいいな。」

「・・・ははっ。でも、うちの課ももう一人人員が欲しいとこっすよね、係長。」

「ま、うちの総務はとことん人件費カットな動きに出てるからな・・・。

 ともかく、お前達が優秀で本当によかったよ。」

 

 

そして、ティファも数分遅れて出勤してきた。

いつもより、気のせいか・・・化粧のノリがいいようだ。

 

 

「おっはよ〜〜〜!」

「ちーっす、ティファ。元気そうだな。」

「だって、7時起きなんて超久しぶりなのよ!久しぶりの長い睡眠で復活って感じね!

 あ、そういえば今日はあの子・・・最後の挨拶に来るわね。」

「・・・ティファは、あんまりよく思ってなかったよな・・・。」

「まあねぇ・・・・・・でも、今のうちの平和な状態だったらああいう子は一人置いておきたいかもね。

 ちょっとドジったりするくらいが、かわいくていいものよ。

 うちの課の庶務的な存在には、ぴったりじゃない?」

「そうだなぁ・・・あいつ、かなり気の利くところがあるからな。

 さて・・・今日から少しの間、修正や書類提出の督促の電話でまた忙しいかな?」

「それでも、前ほどのものじゃないわ。やっと平和なときがきたのね〜・・・。」

 

 

自動販売機でモーニングコーヒーを買うクラウド。

課のパソコンをすべて立ち上げて、9時からの仕事に備えた。

そして、9時を知らせるチャイムと同時に、部屋のドアが開いた。

 

 

「おはようございまーす!」

 

 

元気のいい、かわいらしい声が部屋中を支配した。

いつものようにエアリスが9時に出勤してきたのだ。

服は最初に来たときと同じ、ピンクのワンピース。

でも、今日は最後の挨拶をするために、出勤をしてきたのだ・・・。

 

 

「1ヶ月間・・・・・・あっという間でしたけど、本当にありがとうございました!

 皆さんには大きな迷惑をかけてばかりで、申し訳ありませんでした・・・。

 でも、皆さんに支えられて、最後まで一緒に仕事ができたことに感謝しています。

 本当に・・・本当にありがとうございました!」

 

 

エアリスと一緒に仕事した1ヶ月は、今思えばとても短いものだった。

自分にとっては、これ以上はない仲間だった。

彼女が課の仲間一人一人に声をかけて、部屋を出て行った瞬間、

クラウドはすべてがまた、エアリスが来る前の元の職場に戻ったんだな・・・

と、エアリスのいた机の上に目をやった。

 

 

エアリスの使っていた机・・・今では物置き場に戻ってしまった。

彼女がいなくなって、何かぽっかり穴があいてしまったかのような・・・

そんな空白感にクラウドは襲われた。

これが今までの普段の姿だったけど、今はエアリスがいないことが

何か自分にとって異常事態のように思えて仕方ない。

 

 

ぼーっと物思いに耽りながら座っているクラウド。

そんなクラウドの背中を、ティファはつんつん、と突っついた。

 

 

「クラウド、机の上になんか置いてあるわよ?」

「ん・・・あぁ、庶務が持ってきたのかな。私信っぽいな・・・。」

 

 

クラウドは机の上に置かれた封書をあけて、中の手紙を読んだ。

そして、クラウドはすべて読み終わると、表情が意味ありげな微笑みに変わった。

 

 

「キスティス課長。」

「・・・なあに、クラウド。」

「今日、久々に定時であがってもいいですか?」

「いいよ。仕事も落ち着いたし、今日は早く帰りましょ。」

 

 

仕事が落ち着いてなくても、この手紙を読めば定時で無理やりあがりたくなる。

その手紙は、エアリスからのメッセージだったからだ。

6時に駅前のセントラル・タワーの前で待ってます・・・遅れるわけには、いかない。

 

 

仕事を適当にきりをつけ、6時のチャイムとともにクラウドは、「おつかれさま〜!」の一言で

会社を出て、急いで駅へと向かった。

約束の待ち合わせ場所・・・セントラル・タワーの玄関前でエアリスは時計を見ながらクラウドの到着を待っていた。

エアリスは今日出勤してきたときと同じ、ピンクのワンピースだった。

 

 

「お待たせ。」

「あっ・・・クラウド!」

「いつの間にあんな手紙を置いたんだよ・・・。」

「ふふっ・・・。でも、ちゃんと来てくれたのね。」

「当たり前だろっ。じゃ、とりあえず行こうか、エアリス。

 お腹すいたし、何か食べに行こうぜ。」

「うんっ!!」

 

 

クラウドはそっと、エアリスの手をつないで駅前のセントラル・タワーへと入っていった。

15階にある、洒落た無国籍料理店。

赤ワインで乾杯をした2人・・・もう、単なる仕事仲間なんかではなくなっていた。

 

 

「ねぇ、次の就職先・・・決めたんだけど、いいかな。」

「ええっ、もう決めたのか!?早いなぁ・・・。で、どこの会社にするんだ?」

 

 

クラウドの問いかけに、エアリスはかばんの中から履歴書を1枚取り出して、

意味深な微笑とともにそれをクラウドに手渡した。

 

 

「・・・履歴書?」

「あなたのところに、永久就職・・・おねがいしまーす!!」

「・・・は!?え、永久就職ぅ!!??」

「うん・・・私、あなたのお嫁さんになって、がんばるあなたを応援しようかなって思って。

 ねっ・・・こんな私だけど、採用・・・してくれる??」

 

 

永久就職・・・か。

エアリスはこれで、ずっと自分のそばにいてくれる。

そう思ったら、クラウドの心からあの妙な空白感がすべて消えてなくなった。

 

それは、あの机で仕事をしていたエアリスがいなくなった、という空白感だけではない。

エアリスがいてくれたことで、クラウドのさまざまな心の空白が・・・

クラウド自身も感じていなかった心の空白が埋まっていたのだが、それがもう一度

抜けてしまったというこの空白感。全部、全部消えてなくなってしまうのだ。

 

 

クラウドが答えを出すまで、そんなに時間はかからなかった。

自分にぴったりのパートナーは、目の前にしかいないからだ・・・。

 

 

「もちろん。俺のところで就職なら、終身雇用だぜっ。」

「ありがとっ!いつまでも、私を離さないでねっ・・・・・・。」

 

 

そう・・・離すもんか、絶対に。

刹那な時に出逢った、自分にとって最高の女性・・・エアリス。

クラウドはエアリスへの一生の愛を、窓に映る夜空の星に誓うのだった・・・。

 

 

Like a shining star...

あの輝く星のように、いつまでも二人の仲が輝いていて欲しい。

 

 

 

・・・いつまでも。







fin






hideさんからの頂き物でしたv
ありがとうihideさん!
やっぱ格が違いますねぇ・・・。
見習わなきゃ!