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エアリス・ゲインズブール (高校三年生17歳)
最難関大学付属超難関高校二位の超成績優秀者。順風満帆の高校生ライフを満喫していたが、二年生の夏、クラウドと望まない邂逅をする。最初は頑なだった彼 女だが、クラウドの寂しさに気付き、やがて彼を正面から受け入れるようになる。今では・・・ラブラブ?



クラウド・ストライフ  (高校三年生18歳)
エアリスと同じく超難関高校一位の超成績優秀者。頭はいいが、エアリスと心を通わせるまで、やくざに一目置かれるほど、相当荒れていた。暴力沙汰はしょっ ちゅうで、しかし退行処分にならなかったのは・・・。高校二年生の夏にエアリスとの間に警察沙汰の事件を冒した。だが今ではエアリスパワーでかなり落ち着 いて、学校にも真面目に来るよう。








大丈夫でしょうか?大丈夫な方はずっと下へどうぞ↓






























エアリスの通っている学校は国内一の難関高校だ。

そして国内最難関神羅大学の唯一の付属校でもある。
この学校では成績優秀者にはエスカレーターでテストも面接もなしに神羅大学への進学を認める制度がある。

エアリスはこの前のテストで危なげなくその枠に入った。ちなみに進級を認められるのは学年7位までである。少し枠が広い気もするが、7位の生徒でも他の大 学では優にトップを狙えるので問題は無い。


ちなみに7位は金髪がチャームポイントの真面目でどこか抜けてるイリーナ。
6位はスキンヘッドだが心優しいルード。
5位には今回不良っぽいレノが入った。「今回」というのは、いつもレノとルードは互いに上位になったり下位になったりを続けているからだ。
4位は抜群のプロポーションで芸能界からもスカウトされているティファ。
3位は女の子大好きで、でも面倒見のいいザックス。


そして


2位はエアリス。


1位は


エアリスの彼氏クラウド。



この七人はその順位を変える事無く(レノとルードは別)今まで小等部から過ごしてきた。
と言っても特別に全員が仲が良い訳でもなく、お互い情報をしてか七位内全員の存在を意識したことも無い。



だがクラウドとエアリスは違う。


エアリスは去年の夏まではクラウドのことをあくまで同じクラスの1位の怖い少年としか見ていなかった。
不良だし、悪い噂はこれでもかと流れているし、関係しないほうがいいと思っていた。

だがあの日・・・あの日がやってきて、二人の関係は恋人同士とはいえず、しかし他人同士とも言えない妙な関係になってしまった。友達・・・とも言えない。 知り合い以上、友達“以外”、恋人未満。だけどこの一年間で随分と彼に対する評価がエアリスの中でよくなっていった。






「もぉー、また入ってるよ・・・・・・」

エアリスは溜息を付いた。朝、下駄箱にラブレター。慣れてしまったが実はかなり困っていたりする。

気持ちを打ち明けてくれたのは嬉しい。
でもずっと続くと段々、有り難味が薄れて、うんざりしてきてしまう。

エアリスはそれをコートのポケットに押し込んだ。
悪いとは思うけど、相手の思いの詰まった手紙。しっかり読んで気持ちを害さないように慎重に言葉を選んで返事の手紙を書くの、どれだけ大変かわかるだろう か。


しかも一通二通どころではない。学校で有名人のエアリスは、異性同姓かかわらず、大量のファンレターやラブレターを貰う。

何もエアリスに限ったことではないのだが(エスカレーターの権利を持つ生徒には全員ファンがいる)、本当に困るのだ。同性のファンレターはともかく、異性 からのラブレターは。


なぜなら


ラブレターを見つけたら我を忘れるほど嫉妬するであろう困ったチャンがいるからだ。

自意識過剰ではない。
今までの彼の行動や性格からして、そう察するのは難しくない。

そもそも、彼と始めて邂逅したときから、彼はエアリスに近づく異性の者を激しく警戒する。

もう一度言う。自意識過剰ではない。

彼はとことん独占欲が強いのは行動からして分かりきっているのだ。






放課後の教室に荷物を取りに行くと、シド先生が頭を悩ませていた。

「どうしたんですか、先生」

エアリスが尋ねると、シド先生は頭を掻いてこちらに向き直った。

「それがよー、ストライフの奴が出席日数がそろそろやばくてよ。頭はいい奴なんだから寝ててもいいから学校に来てくれれば問題無いんだが・・・」

そうして困ったようにまた頭をがしがし掻く。

「俺様があいつの家に押しかけようかと思ってたんだが、どうもこの後職員会議がはいっちまってよ」

エアリスは少し考えた後、申し出た。

「あの、先生。わたし、行きましょうか?クラ・・・いえ、ストライフ君の家、知ってますので」

シド先生の顔に笑顔がともった。
名案だと言いたげに、後頭部をぽん、と叩く。

「そりゃいいな!というか、お前らやっぱり付き合ってたんだな!」

「はい・・・?」

「いやいや、お前ら結構職員の方々の間で有名だぜ?何たってクラウドみたいな不良とお前さんみたいな子が・・・なぁ?」

クラウドと二人で図書室にいたり、裏のガーデンで食事を取ったりする光景が、先生方の目にことさら留まるらしい。

「いやー、お前さんと付き合うようになってから、ストライフのやろーも随分と落ち着きやがってよ。一時期アンだけ荒れてたのに、学校にも着やがる。やっぱ りエアリスパワーだな!」

そう言ってがははと笑うシド先生を尻目にエアリスの顔がぼっと赤くなった。


クラウドが・・・?


自分のおかげで大人しくなった・・・?



そんなこと・・・・・・



意識したこと無かった








クラウドの家はなかなかに綺麗なアパートだ。
いっつも家にいるときはドアに鍵をかけていない。無用心なものだ。

ドアを開けると、廊下の向こうにただっぴろいリビングが見える。そして廊下を少し進んだところにあるドアが寝室への扉だ。
豪華で広い、1LDK。
ちょっと羨ましい。


「クラウド!クラウドどこにいるの?」

声を上げたけれど反応はない。でもドアが開いているということは家にいるということだ。

エアリスは寝室のドアを空けた。

相変わらず、洗濯物が放りっぱなしになり、飲み捨てた缶(ほとんど酒だった)が散らばり、読みっぱなしの雑誌や学校のプリントが散乱している。

「もう、クラウドったら」

エアリスは足場を邪魔する缶をどけながら窓際のベッドに近づく。

クラウドは読みかけの開いた雑誌をアイマスクのように顔の上に乗せ熟睡している。

日も落ちかけていたし、カーテンを引いた暗い部屋だったので、エアリスはベッドサイドに近づくまで、クラウドが上半身裸で寝ていたことに気付かなかった。

それが分かった途端、顔に熱い灯が灯る。

クラウドの体はすごく綺麗だ。
女の自分でも惚れ惚れしてしまうぐらい、均整の整った綺麗な体つきをしている。


「クラウド、起きてってば!」

エアリスはクラウドを揺さぶった。

だが反応はない。
完全に眠っている。

クラウドは一度寝付くとなかなか起きない。
何で知っているかって?
そんな無粋なことは聞かないで欲しい。

自己弁護しておくと、あくまで“あれ”はクラウドに全責任がある。暴行罪で訴えられなかっただけ、感謝して欲しいものだ。


「クラウドってば!」

先程より強く揺さぶっても起きる気配はない。
エアリスはもっとクラウドに近寄ってのしかかる勢いで揺さぶった。

それでも起きないので跨る様にして全体重をかけて揺さぶる。




だが次の瞬間体に急速なGがかかったかと思うと、ベッドに押し倒されていた。




「??」

エアリスは急なことで何が起こったかよく分からない。しかし、クラウドの端正な顔が近くに寄せられて、やっと自分が襲われていることに気付いた。

「や・・・ちょ・・・と」

「準備がいいな。起きたら飯がある」

そう言って、体を密着させる。

「!」

クラウドがエアリスのコートを脱がしにかかる。
エアリスはやっと正気に戻ってそれに気付き、暴れてクラウドから離れようとした。

しかしびくともしないので、エアリスは強硬手段に訴える。


悪いと思いつつ、左足を何度か上下にゆらゆら動かすと、勢いをつけて振り上げた。


そのえげつない攻撃がヒットするかと思われた瞬間、クラウドが素晴らしい反射神経を見せて、エアリスの上から跳ね起きた。

振り上げられた足が宙を蹴る。


「・・・・・」

「あんた無茶苦茶するな。使い物にならなくなったらどうしてくれる」

睨むクラウド。その言葉に何を想像したのか赤くなるエアリス。

「し・・・知らない!クラウドが悪いんだから!」


だがエアリスが体を思い切り引いたとき、ポケットからあるものが覗いた。



「!」

エアリスは慌ててポケットからはみ出したものを押し戻そうとした。 だが手首に衝撃と痛みが走る。クラウドがその手をつかみ、骨が軋むほど強く握り締めていた。
そして反対の手がエアリスのポケットに忍び寄り、手紙を抜き取った。

「あ・・・・・・」

「ふーん、ラブ・レターか・・・・・・えらくセンチな野郎だな」

「クラウド、返し・・・・・・あ・・・」

エアリスが挙げる抗議の声は、しかしぞっとするほど冷たい視線に掻き消される。

「あんた、いつも手紙持ってこそこそして、隠しきれていると本気で思っていたのか?」

笑ったように引きつる唇から、嘲りの言葉が、滲み出す怒りが、不意に発せられる。
エアリスは驚いて顔をあげ、クラウドを見る。

彼の顔はいつのまにか、唇が触れ合うほど近くにあった。


「おりこうさんのあんたにいい事教えてやるよ」


切れるほど冷たい眼差しに捕らえられ、動くことができない。

そのエアリスの前にゆっくりと手紙が掲げられる。




「こういうのを見られたくなかったら」



冷たい瞳が更に暗い影を落とす。



「見た瞬間捨ててしまえ」



ただ一枚の紙に捻り潰すような力が加えられぐしゃぐしゃにつぶれる。
だがそれでも足りないと言わんばかりに、クラウドの握力全てが薄い紙に注がれた。


「クラウド!・・・・あなた!」

エアリスが信じられないとでも言いたげに、瞳を瞬かせる。

クラウドの手の中でヒト1人の心が無惨に壊されてしまった。

酷い!


だが怒りの声を上げるよりも先に、体がベッドに投げ出される。

「あ・・・ッ・、・・!むぅ・・・っ」

咄嗟にあげた悲鳴が重ねられた唇に吸収される。

口付けはそれでは止まらず、唇を無理矢理こじ開けて舌が進入してきた。

口腔内で逃げ惑うエアリスのそれを、クラウドのそれが追い詰め、捕らえ、吸い上げる。

力の入らなくなった体が、ぐったりをベッドに横たえられた。


「なぜ納得のいかない表情をする?自分の女に不特定多数のヤローが近寄るのを黙って見てろと?」

クラウドの言葉にエアリスは目じりに涙をためながら反論した。


「違う!でも・・・・あの手紙は・・・、あの手紙は書いてくれた人の気持ちが・・・、あなた・・・それを!」

クラウドの足がエアリスのそれに絡んで動きを封ずる。

「傷付けていると言うならそれはあんただ。何故既に俺の物だと言わない?知らない奴が無意味に傷つくのを何故そのままにしている?それとも、何か疾しい事 でもあるのか」

「!!!」



やましいこと・・・・・・

何でクラウドはそんな酷いことを言うのだろう。
ずっとクラウドだけ見てきたのに。
この一年間、ずっとクラウドといたのに。
何で・・・・・。


悲しい。
信頼されていないのだろうか?
それが辛くて・・・涙が出る。



エアリスはわんわんと子供のように泣き始めた。

さすがにクラウドは驚いたらしく、奇妙なものを見るような目でエアリスを見る。

「あんた・・・・・」

「なんで・・・・なんでそんな事言うの?わたし、クラウドと会うまでオトコノヒトと付き合ったことなんてなかった!キスもしたことなかった!一度だって一 緒に寝たことなかった!クラウドは・・・・・・クラウドはいつも違う人と、好きでもないくせに一緒に居たんでしょ!同じベッドで寝てたんでしょ!?」

広い部屋にエアリスの叫び声が響き渡る。

「あ・・あ・うう・・・・な・・んでなんでええええ!」

「エア・・・・っ」


突如ぎゅっと、腰と肩に逞しい腕が回される。
そうして痛いほど抱き締められる。

「悪い・・・何も考えてなかった、俺・・・。コドモっぽい嫉妬で・・・悪い」

エアリスはいやいやと首を振った。

「あんたが取られるのがいやで・・・、真剣に返事を考えているあんたを見るのが嫌で・・・それを隠すあんたに、八つ当たりしてた」

エアリスがクラウドの裸の背中に爪を立てる。

「だけど・・・それは・・・あんたが・・・」

ぎゅっと硬く瞼を閉じて、一層食い込ませる爪に力を込める。


「好きだから・・・・・・・」

「!」

エアリスの体からあれほど入っていた力がふっと抜ける。

好き

スキ

クラウドが?

そんなこと、初めて言われた・・・・・。



クラウドが尋ねるような瞳でこちらを見る。
エアリスは暫く涙が喉を伝って何も言えなかった。

そうして、やっと枯れた声が喉から出る。


「スキだよぉ・・・。スキだよ、わたしもクラウドのこと!」


クラウドが抱き締めたままの格好で顔を伏せて尋ねた。

「言えるか・・・その、俺と付き合ってるから、手紙は受け取れないし、応えられないって・・・・・」

「うんっ・・・うんッ」


スキってコト、初めて言ってもらったのだ。
クラウドと付き合っている、シド先生に言われても実感のなかったことが、今ひしひしと現実として感じられる。


「わたし、クラウドの彼女なんだって、初めて思った気がする」

軽くしゃくりあげながらそう言うエアリスを、クラウドが抱き締めた。


そしてそのまま三度ベッドに押し倒される。

「ふ・・・ふぇ?」

何が起こったのかわからず、目を白黒させるエアリスにクラウドが微笑みかけた。

「これで晴れてめでたく気持ちが通じたわけだな。お祝いだ。目の前にご馳走が」

「!!ふえええええええええ!!」









ほら、クラウドは独占欲の塊みたいなものなのだ。

いつだってエアリスを独り占めしたくてたまらない。

でももしかしたらエアリスもそうかもしれない。

なぜなら、その後、クラウドに近づくギャルを威嚇するようになったから。



前言撤回。
知り合い以上、友達以上、恋人以上







FIN   





実はこれの続きでプチ裏もUPしました・・・よろしかったらどうぞ!






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