授業終了の鐘が鳴り響いた。

 

今日は久しぶりのクラウドとのデート。

 

楽しみで楽しみで夜も眠れなかった。

 

学校も違うし、剣道部全国優勝のすったもんだで、なかなかにライバル視しあっている学校 同士だから、剣道部所属の自分たちは簡単に会えない。

 

だから、二人の関係も周りには秘密。

 

 

エアリスは家に帰ると、この日のために二日前から用意しておいた、服をクローゼットから 取り出した。

 

急いで着て、家を飛び出す。

 

会うまでに時間が途方もなく長く感じられる・・・。

 

 

 

 

が、

 

 

 

「遅いなーーーー?」

 

おかしい、待ち合わせ時間をとっくの当に十五分過ぎている。

 

でも、間違いなく日にちは今日だし、待ち合わせ時間も正しいはず・・・。

 

 

エアリスはいらいらしながら辺りを見回した。

 

クラウドは忘れているのだろうか・・・・・??

 

 

「もう!お詫びに何か買ってもらおうかしら!」

 

そう言って、またきょろきょろ。

 

 

その時人垣の向こうに、見慣れた金糸の髪が見て取れた。

 

途端に先ほどまで不満げだった顔にぱっと華が咲く。

 

エアリスがクラウドの名を呼ぼうとしたその時だった。

 

 

「え・・・だれ・・・・・?」

 

 

エアリスはわが目を疑った。思わず、声が上擦る。

 

 

大好きなクラウドが他の女の人と歩いていた。

 

露出の多い挑発的な服で身を包み、それでいてとっても綺麗で、エアリスよりいくらか年上 の魅惑的な黒髪の女の人・・・・・・。

 

 

「うそ・・・・・・」

 

 

エアリスは信じられないとでも言いたげに、呟いた。

 

 

エアリスだって十分、いや十分すぎるぐらい可愛い。

学校だってモテモテだし、どっかの雑誌に何度も何度も載せられたこともある。

 

 

でも、その人にはエアリスにはない、大人の色気があった。

 

 

エアリスは反射的に自分の服装を見る。

 

頑張って選んだけれど、あの人に比べれば、なんだか見劣りするかもしれない・・・。

 

エアリスが自分から目を上げて、もう一度二人のほうを見やる。

 

 

そこで繰り広げられた光景にエアリスは呆然とした。

 

 

「・・・・・・・っ」

 

黒髪の女の人がいきなりクラウドに抱きついたのだ。

 

あろうことか、クラウドもその肩に軽く手を回す。

 

 

そして、

 

 

頬にキス・・・・・・。

 

 

 

クラウドがその女の人に別れを告げて、何事も無かったようにこちらに向かってくる。

 

だいぶ近づいてきたとき、エアリスと目がはたと合った。

 

クラウドが、平然と、さも当然のように、片手を挙げて答える。

 

 

が、

 

 

「おい、エアリス!?」

 

 

エアリスは近づいてくるクラウドから逃げるように、反射的に飛び出した。

 

 

いやだ、話したくない。

 

わたし、ふられちゃう・・・!

 

 

 

ど・・・どうしよう。。。

 

 

 

エアリスは走って、もと来た道を戻る。

 

ちらり、と後方を見やると、遥か後ろだけれども、クラウドが追いかけてくるのが分かっ た。

 

 

クラウドの足はすごく速い。

 

あっと今に追いつかれてしまうし、現にさっきまであんなに遠かったクラウドの姿が大きく なっている。

 

 

 

エアリスは一つ向こうの角を曲がった。そのままいろんな方向にじぐざぐに曲がって振り切 る。

 

 

息も切れた頃、クラウドはもう、後を追ってこなかった。

 

 

 

 

エアリスはとぼとぼと帰路に着いた。

 

あの、様子からして、自分が振られたことは火を見るよりも明らかだ。

 

自分はこんなにも好きなのにクラウドはなんて早く心変わりをしてしまったのだろう?

 

そう考えれば考えるほど、クラウドへの憎しみが募る。

 

 

悔しくて、エアリスはその場でしゃがみこんで泣いた。

 

 

 

 

 

だいぶ落ち着いた頃、エアリスはふられたことよりも、裏切られたことへの憤りが胸を巣 食っていた。

 

こっぴどく非難してやりたい気持ちで、家の前までたどり着いた。

 

 

今日は両親共々残業で遅くなる。

 

この泣いた後の酷い顔を見られなくて済む。

 

 

エアリスはそう思って、バックから家のキーを取り出して、ドアを開けた。

 

中に入ろうとする、が何故だか思うようにドアが閉まらない。

 

中途半端に開いたままで、どれだけ力を込めてもびくとしなかった。

 

 

不思議に思って、ドアを見やる、と・・・

 

 

「エアリス!」

 

一番見たくない顔がそこにあった。

 

クラウドがそこにいた。

待ち伏せされていたのだ。

 

 

「クラウド・・・なん・・・で?」

 

エアリスが驚いた表情でクラウドを見やる、がその表情も次第に固くなり始める。

 

「帰って頂戴」

 

冷たく言い放った。

 

しかしクラウドは動じない。

それどころかドアを引き止める腕に更に力を込めて。容易くドアをこじ開け、中に入ってき た。

 

ドアが後ろでパタンと閉じる。

 

「なんで、逃げた・・・?」

 

表情を一切崩さずクラウドが問うて来る。

 

それがエアリスには憎たらしかった。

 

「いいから、帰ってよ!」

 

苛立たしげに吐き捨てるエアリス。

 

そのか細い手首をクラウドが痛いほどに握った。

 

「何で逃げたんだ・・・?」

 

エアリスはその言葉に怖気づきそうになる。

 

下唇をかみ締めて、泣かないようにしながら、それでも負けたくない一心で、言い放った。

 

「クラウドなんて大嫌い!帰ってよ!!」

 

手首を掴む腕を振りほどき、その反動で手の平の甲でクラウドの右頬を叩いた。

 

乾いた音が鳴り響き、エアリスは思わず出てしまった手を戸惑ったように抱いた。

 

やってしまった・・・・・・

 

 

後悔が胸のうちを駆け巡った。

 

もう、終わりだ。

 

これで・・・・・・

 

 

そう思ったとき、急に体がふわりと軽くなった。

 

何が何だか分からず、アタフタしている間にどさり、とベッドに放り投げられる。

 

「クラウド・・・・・・!」

 

乱暴な扱いに思わず非難の声を上げる。

 

 

しかしそのまま、あっという間に組み敷かれてしまった。

 

そのまま乱暴に口付けられる。

 

「・・・・・・ふっ」

 

噛み付くようなキス。

クラウドはエアリスの口腔内に無理矢理自分の舌を捩じ込んだ。

 

舌先で歯列をなぞり、エアリスに華奢な舌にそれを絡ませる。吸い上げる・・・。

 

「う・・・・むぅう!」

 

交し合った唾液が、エアリスの意に反して喉を下っていった。それでも飲み込めないものが 口の端からあふれ出す。

 

クラウドが唇を離すと、唾液が糸を引いて切れた。

 

 

恥ずかしさと恐ろしさににみまわれるエアリス。しかし気を奮い立たせて、クラウドに怒り の眼差しを向けた。そして、言う。

 

「クラウド、なんのつもり!?やめてよ、私クラウドともう何の関係もないんだから!! 帰って!」

 

怒りと、そしてクラウドを見て再び湧き上がる悲しみに身を任せて、エアリスは言い募る。

 

 

好きだったのに、大好きだったのに、なんで自分がこんな不当な扱いをされなくてはいけな い?

 

 

もう、クラウドなんて見るのも嫌だ。

 

それに、何でこの男は自分が帰ってと言っているのに帰ってくれないのだ?

 

 

「大嫌いっ!かえってぇぇぇえええ!!」

 

エアリスの悲痛さを押し殺した悲鳴のような声が部屋に響き渡った。

 

足がせわしく暴れ、痛みで顔をしかめるほどに、クラウドの胸を拳で叩く。

 

 

「もう、私の前に来ないで!顔も見たくないわ!!」

 

怒りの形相も露に、クラウドに食いかかる。

 

しかし、見上げたクラウドの表情を見て取った途端、エアリスは一瞬にして怯えた顔になっ た。

 

「誰が、関係ないって・・・・・・?」

 

クラウドの放つ、殺意にも似た戦慄が、エアリスの荒ぶった気持ちを今度は、凍りつかせ る。

 

瞳は氷のように冷たく、冷めた面持ちはかすかな苛立ちを感じさせた。

 

だが次の瞬間には「かすか」さは消えた。それはまるでエアリスにも勝る憎しみを持って、 クラウド自身を覆ったかのようだった。

 

 

クラウドは己の胸に添えられたエアリスの両手を、悲鳴を上げるほどに捻って片手で上方に 縫いつけた。

 

「顔も見たくないんだなっ・・・・・・?」

 

けっして声は猛々しくないのに、その腕に込められる力が、彼がいかに高ぶっているかを示 していた。

 

 

「じゃあ、もう、何しても構わないよな・・・?」

 

 

エアリスが驚愕に目を見開く。

 

次の瞬間、布の破れる音がして、ブラウスのボタンが弾け飛んだ。

 

「やだ・・・!クラウド止めて!」

 

恐ろしさに震えながら、エアリスが体を捩って逃げようとする。

 

しかし、上に縫いとめられた両腕を片手で強く捻り上げられ、激痛にエアリスは悲鳴を上げ た。

 

 

ひどい・・・・・・クラウドは何てことをするのだろう・・・・・・?

 

 

不器用でありながらもいつも自分に優しく、そして愛しげに抱いてくれていたクラウドから は信じられない扱いだった。

 

 

エアリスはもう、怒りというものを全て無くしてしまって、ただただ怯え、震えているだけ だった。

 

 

クラウドが、エアリスのブラに手を掛け、フロントフックのそれを、あっさりと、引きちぎ るかのように外してしまう。

 

エアリスは恥ずかしさに顔を背けたその時、クラウドはいきなり口でエアリスの柔らかなベ ビーピンクの乳首を吸いたてた。

 

「・・・ん・・っ」

 

エアリスの口から甘いと息が漏れた。

構わず、クラウドはそれを舌先で突いたり、甘噛みしたりを繰り返す。

クラウドの口内でそれはあっという間に硬くなってしまった。

 

「ん・・・・っやあ・・・クラウド・・・」

 

感じたエアリスが首を仰向けにそらせると、それを狙っていたかのようにクラウドの唇がエ アリスの首筋に吸い付く。

 

赤い痕がいくつもいくつも残った。

 

「やん・・・付けちゃ・・・や・・・」

 

エアリスが拒否の声を上げるか聞き入れられない。

 

クラウドは意に介さず、エアリスの感じる胸の先端部分や鎖骨のラインを、舌を使って、的 確に捉えていった。

 

 

「あ・・・・んんん!・・やあ・・・ん」

 

エアリスの声が艶を増し、部屋に響き渡る。

 

だらり、と力の抜けた両腕を拘束する腕を離し、先ほどのゆったりとした前盛が嘘だったか のように、激しい愛撫を始める。

 

 

唇を捕らえ、激しい口腔愛撫をしつつ、手は柔らかな胸を鷲づかみにして揉みたてた。

 

硬くしこった胸の先端を指で引掻くように刺激する。

 

「・・・・・・・・・・っむううぅ!」

 

捕らえられた唇からは発しようのない喘ぎ声が苦しげな悶えとなって溢れ出す。

 

体の諸機関はいっせいにクラウドの愛撫に反応し、エアリスを苦しめる。

 

 

やがて、クラウドがぐったりとしたエアリスの足に手を掛け、スカートを床に落とした。

 

戸惑う事無く、下着を引きずり落とし、親指で小さなつぼみをくりくりとこね回す。

 

 

「ああああ・・・!ん、だめ・・・そこ・・・っ」

 

エアリスが半泣きになりながらも、必死に両足をばたつかせて抵抗する。

 

だがしかし、その儚い抵抗もあっさりとクラウドに押しとどめられてしまって、

エアリスはなす術がなかった。

 

 

抵抗する自分の意思とは裏腹に、体は刺激に正直で、エアリスの秘部は熱い蜜で潤ってい く。

 

ぴちゃぴちゃと独特の水音が部屋に木霊した。

 

 

溢れ出る蜜は、クラウドが秘部を舐めることで一層増す。

 

 

熱い舌が中に入り込んできて、エアリスは体をびくつかせた。

 

「やあ・・・・っあ・・・ふぁ・・・!」

 

舌が膣壁を突き、愛液を絡め取る。

 

生暖かい感触が、身体を振るわせた。

 

「んん・・・ん・・・・・ああ!」

 

嬌声が、更に艶を増していく・・・・・・。

 

 

 

そして、とうとうクラウドは自分の熱を帯びた中心をジーンズのジッパーを開けて取り出し た。

 

硬く勃起したそれを片手で支えてエアリスの外陰部をなぞる。

 

エアリスの内腿がびくびくと痙攣しているのが手に取るように分かった。

 

 

一息ついた後、クラウドは十分硬くなった自分のそれを、エアリスの濡れそぼった内陰へと 一気に挿入した。

 

挿入した瞬間に最奥まで突き上げ、それはエアリスの子宮にまで達する。

 

 

エアリスが挿入の快感から逃れようのない悲鳴を上げた。

 

 

濡れに濡れている膣壁はクラウドのそれを滑らかに往復させ、強烈な摩擦感を生む。

 

クラウドは怒りから理性を捨てさり、本能のままに欲望に従って腰を打ちつけた。

リミッターを自ら外してしまったために、思うがままにエアリスの身体を貪っていく。

 

その衝撃にエアリスの華奢な身体は耐え切れず、とうとうエアリスの身体は絶頂の瞬間に耐 え切れないことを悟り、意識を手放すことを選んだ。

 

 

 

 

 

意識をなくしたエアリスの身体を、クラウドはなおも貪り続け、やがて後を追うように達し た。

 

 

 

情事が終わった後、クラウドはゆっくりと腰を起した。

 

そこには痛々しいほどに痛めつけたエアリスの姿があった。

しかし、彼はそれを決して同情や慰めの目で見ることはなかった。

 

歯切れが悪く舌打ちをし、踵を返す。

 

 

クラウドは一切感情を読み取れない瞳でもう一度エアリスを見やった後、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く